先日「青春18きっぷ」を使って日本縦断の旅をしてきました。
そのときに、福島県「会津若松駅」から「新潟駅」まで、『SLばんえつ物語』という大人気の観光列車に乗ってきました。
「貴婦人」とよばれた優雅なフォルム、「レトロ調大正ロマン」の雰囲気を持つ「C57 180号機」をベースにした『SLばんえつ物語』。
車窓からは、会津地方の栄華、仏教文化、四季折々の美しい自然を堪能することができます。
会津と新潟、食べ物や日本酒が美味しい土地を結んでいるというのも魅力の路線です♪
今回の記事は、わたしが実際に乗車し、事前に知っておきたかった情報などを盛り込みながら体験談を書いてみたいと思います。
目次
『SLばんえつ物語』って何?
まずは、『SLばんえつ物語』についてかんたんに説明しておきますね。
「ウィキペディア」から抜粋します。
SLばんえつ物語(エスエルばんえつものがたり)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が磐越西線新津駅 – 会津若松駅間にて運行している臨時快速列車である。
SLばんえつ物語はC57 180が、専用の12系座席車4両・展望車2両・展望グリーン車1両の計7両を牽引する編成で運転される。
この機関車は、新潟県新津市(現・新潟市秋葉区)の新津市立新津第一小学校に丁寧に保存されていたC57 180を大宮工場で修復したうえで運転に充てている。
保存当時は屋根がかけられたうえ、30年間にわたり、春と秋の年2回、点検、油さし、磨きなどが行き届いていたため、保存状態が非常によかった。
補足していきますね。
『SLばんえつ物語』の運行エリア
『SLばんえつ物語』の運行エリアは、磐越西線「新津駅」 ~ 「会津若松駅」間。
わたしが乗った2017年までは「新潟駅」まで乗り入れていましたが、
2018年からは、新潟駅の在来線ホーム高架化の影響で「新津駅」停まりとなりました。
「JR東日本」と新潟市側、双方いろいろと大変だったようです。
下記の記事が参考になりました。
⇒ 「SLばんえつ物語」新潟駅乗入れ終了!? 在来線ホーム高架化で
「新津駅」 ~ 「会津若松駅」間は、下記のようなルートになります。
この区間は、「森と水とロマンの鉄道」という愛称が付けられています。
『SLばんえつ物語』を利用するほとんどの人は、新潟駅を利用することになると思います。
「新津駅」 ~ 「新潟駅」の区間を、「SLリレー号」が走るとのことですが、現状発表は朝の1本のみ(新潟9:28 → 新津9:45)。
通常路線の「磐越西線」や「信越本線」などを利用して移動するしかないですね。
「新津駅」 ~ 「新潟駅」の区間、運賃は「324円」。
乗車時間は、約20分です。
『SLばんえつ物語』の運行日・運行時間・時刻表について
『SLばんえつ物語』は、1年中運行しているわけではありません。
冬季はお休みです。
2018年は、3月31日から運行が開始されます。
運行開始前に、細かなスケジュールが発表されますが、土日運行が中心となります。
基本的な運行時間、本数は下記。
ただ、2018年度の「春の期間(2018年3月1日~6月30日)」は「新津駅」停まりになったことで、現状は下記のような発表になっています。(2018.01)
・本数:1日1本1往復。
・往路:「新津駅」10時05分発・「会津若松駅」13時35分着
・復路:「会津若松駅」15時25分発・「新津駅」18時40分着
公式ホームページ等で、最新の情報(各駅の到着時間、運航日カレンダー等)が出ましたら、またこちらに追記したいと思います。
『SLばんえつ物語』の名前に由来は?
『SLばんえつ物語』の名前について、すこし書いてみますね。
まず「ばんえつ」について。
これは、『SLばんえつ物語』が走っている路線「磐越西線」から来ています。
「磐越西線」を走るSLという意味ですね。
で、この「磐越」ですが、2つの言葉がくっついてできています。
「磐城国(福島県東部)」と「越後国(新潟県の大部分)」の頭文字ですね。
車に乗る人は、「磐越自動車道」って聞いたことありますよね?
あの「磐越」もおなじ意味です。
「磐越自動車道」も、福島県(いわき市)と新潟県をつないでいる路線ですものね。
『SLばんえつ物語』の最後につけられた「物語」。
これは、豊かな森と水に育まれた自然と人が触れ合うことで生まれる「物語」だそうです。
なんといっても、この路線は「森と水とロマンの鉄道」ですからね(笑)
これらを組み合わて、『SLばんえつ物語』という名前になっているということです。
いい名前ですよね♪
『SLばんえつ物語』のチケット料金と予約方法について
『SLばんえつ物語』のチケット料金(運賃)について書きますね。
『SLばんえつ物語』は、全車「指定席」です。
乗車券の他に「指定席券」が必要です。
乗車券 | 2,270円 |
指定席券 | 520円 |
合計 | 2,790円 |
「グリーン車」に乗る場合は「グリーン券」が必要です。
乗車券 | 2,270円 |
グリーン券 | 1,670円 |
合計 | 3,940円 |
『SLばんえつ物語』のチケット予約・購入などは、最寄りのJRの「緑の窓口」などで購入可能です。
下記のJR東日本のホームページからネット経由でもできます。
人気の路線なので、できるだけ早めに購入したほうがいいでしょう。
⇒ https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/c57.html
『SLばんえつ物語』でおすすめの座席について
『SLばんえつ物語』は全席指定です。
ですので、自分で席は選べません。
わたしが乗った時の席は、進行方向と逆向き。
しかも、目の前にはガタイの大きな知らないおっさん。
とても居心地が悪かったです(笑)
なので、早々に「展望車(4号車)」移動。
この展望車は、まるまる一両が展望スペースになっています。
ゆったりとしたスペースが確保されており、右側左側も問題なく行き来可能。
つまり、この「展望車(4号車)」がおすすめの席なのです。
しかもここで、車窓を眺めながらちびちび地酒とか飲んでいました(笑)
窓が大きいこともおすすめのひとつ。
会津地方の四季折々の美しい自然を、大きな車窓からたっぷりと楽しめます。
夕方の日が沈む時間は、特におすすめ。
カップルで乗る場合は、必ず展望スペースへ行って夕陽を眺めましょう。
ロマンチックな世界に浸れます(笑)
もし指定の席が気に入らなければ、「展望車(4号車)」はおすすめですよ♪
『SLばんえつ物語』に「青春18きっぷ」で乗りたい場合
「青春18きっぷ」で『SLばんえつ物語』に乗りたい場合について。
乗車券分は、「青春18きっぷ」でそのまま乗れます。
必要なのは、「指定席券(520円)」だけです。
『SLばんえつ物語』は人気の観光列車なので、事前に指定席券は買っておきましょう。
当日の指定席券購入は、ほぼ無理なのではないかなと思います。
わたしが「青春18きっぷ」を使って『SLばんえつ物語』に乗った日の記事
⇒ 「青春18きっぷ」日本縦断の旅体験談【5日目】
『SLばんえつ物語』で駅弁を楽しむ
『SLばんえつ物語』に乗るのであれば、やはり「駅弁」も楽しみたいですよね。
狙うべき駅弁は下記。
オコジョのたからばこ(「SLばんえつ物語」車内限定販売)
「SLばんえつ物語」の車内だけでしか買えない限定駅弁が「オコジョのたからばこ(1,300円)」。
二段のお弁当は、なかなかのボリューム。
地元の食材を使用した煮物や焼き物、「笹巻おこわ」や「笹だんご」といったこの地域の名物がもりもり入っています。
地産地消を意識したメニューですね。
「C57」という焼き印が入った玉子焼きが限定マニアの心をくすぐります。
『SLばんえつ物語』乗車体験談!
では、わたしが乗った『SLばんえつ物語』乗車体験談を書きますね。
わたしは、会津若松駅「15時25分」発、新潟駅行きの「SLばんえつ物語」に乗りました。
会津若松駅までは、会津川口駅から絶景ローカル線として有名な「只見線」に乗って来ました。
(旅の詳細はこちら⇒ 「青春18きっぷ」日本縦断の旅体験談【5日目】)
いやー、只見線はほんとうに絶景を楽しめる路線ですね。
よかったです♪
下の写真は、会津川口駅。
こちらが会津若松駅。
「鶴ヶ城」や「白虎隊」などで有名な土地ですね。
駅のホームでは、「あかべぇ」が出迎え。
会津地方の郷土玩具「赤べこ」をベースにデザインされた会津のマスコットです。
会津若松のシンボルであり、ランドマークなのが「鶴ヶ城(会津若松城)」。
この会津若松は、城下町。
なので、駅周辺よりも、城の周辺のほうがにぎわっていますね。
駅の売店では、「榮川(えいせん)」をはじめとする福島の日本酒がたくさん!
さすが酒どころ♪
日本酒党のひとは大変だー
駅ナカになる会津郷土料理と地酒のお店「一會庵(いちえあん)」。
美味しい十割蕎麦や、「こづゆ」「ぼうたら」「会津にんじん」「鰊の山椒漬け」といった会津郷土料理が楽しめるそうです。
わたしは、「SLばんえつ物語」の中で駅弁を食べることに決めていたので今回はパス。
こういう郷土料理と地酒が楽しめるお店が駅にあるのはいいですね。
会津若松駅 15:25 → 新潟駅 19:06(SLばんえつ物語)
15時すぎ、出発時間が近づいたので会津若松駅のホームへ。
ホームでは、すでに「SLばんえつ物語」ことSL「C57-180号機」が出発を待ちかまえています。
「C57-180号機」は、無骨さよりもその気品ある姿から「貴婦人」との相性がつけられています。
この車両は、昭和21(1946)年から昭和44(1969)年まで現役としてに活躍。
廃車後は、新津市立新津第一小学校の校庭で静態保存されていました。
それを、平成11(1999)年4月に復活させたものになります。
⇒ 国鉄C57形蒸気機関車180号機(ウィキペディア)
これは、展望が楽しめる車両「オコジョ展望室」。
ちなみに「オコジョ」とは、イタチ科の動物。
「山の神」「山の妖精」ともよばれ、磐越地方にも生息しているそうです。
イタチですね。
「オコジョ展望室」は窓が大きくて、車窓をめいっぱい楽しめますね。
「オコジョ展望室」は、下記ストリートビューでぐるっと360度見ることができます。
現在いくつかのSL列車が復活していますが、「SLばんえつ物語」はその中でも最長距離(片道約125キロ)を走ります
会津若松駅では、ハッピを着た駅員さんが記念撮影の手伝いや見送りをしてくれます。
いってきまーす!
こちらは、「SLばんえつ物語」の車内。
深紅のシートにゴールドのパーツは、コンセプトの大正ロマンのイメージにマッチ。
窓も、昔ながらの二段窓。
大きめのドーム型のランプも雰囲気あり。
動きだしたので、さっそく売店へ。
売店では、着物テイストの制服を着たお姉さんが気分を盛り上げてくれます♪
キーホルダーをはじめとする「SLばんえつ物語」限定グッズ類も販売。
アルコールも充実♪
まずは地ビールをグビリと。
新潟限定ビイル「風味爽快ニシテ」。
サッポロビールの生みの親こと中川清兵衛氏、育ての親こと大倉喜八郎氏は、新潟県出身ということから作られたビールだそうです。
サッポロビール党のわたしはうれしい♪
そしてお約束の駅弁。
今回は、「SLばんえつ物語号」の中しか買えない限定駅弁「オコジョのたからばこ」を購入。
1,300円。
お弁当は、車内の窓際に取りつけられた固定テーブルを利用して食べました。
スペース狭くちょっと食べにくい。
もうすこし広いとありがたいなー。
いちおう通路側のサイドアーム部分には、折り畳みテーブルが格納されています。
でも小さい。
弁当を食べたあとは、ちょっと車両散策。
こちらは「オコジョルーム」。
子どもが遊べるフリースペースになっています。
子連れの家族の方もけっこういました。
こちらが「展望車(4号車)」。
おすすめの場所です♪
こちらの展望車には、乗車記念スタンプがあります。
車内で、「乗車手帳」をもらえます。
その裏に、記念スタンプスペースがあります。
同じく展望車内にあるレトロなポスト。
懐かしい~
実際に投函でき、オリジナルの消印を押してくれるみたい。
展望車の窓は大きく開放的。
流れていく車窓の景色をたっぷりと楽しめます。
ランプもレトロでいい感じ。
展望車で流れるビデオも要チェック。
「SLばんえつ物語」のベースとなった「C57-180」が、どのように再生されたのかという内容なのですが、これがストーリー仕立てになっていてなかなか面白い。
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」っぽい。
現役引退してから50年近くたったボロボロのSLを復活させるというのが、いかに大変な作業があったかを知ることができます。
見ることで、より「SLばんえつ物語」が味わい深く楽しめると思います。
ラーメンで有名な「喜多方」も通ります。
あー、食べたい!
16時25分、野沢駅に到着。
10分の停車です。
ホームへ降りて撮影タイム。
地元の方の売店も出ていました。
買いませんでしたが。
車内に戻り、今度は日本酒の「利き酒セット」にチャレンジ。
1250円。
新潟と福島の地酒の中から、3種類をセレクトできます。
今回は、「越後鶴亀」「榮川(えいせん)」「ほまれ麒麟」をセレクト
つまみは、鮭の焼き漬けがつきます。
展望車に持っていき、車窓を見ながら美味い日本酒を飲む。
最高です♪
みんなやってます(笑)
17時19分、津川駅到着。
15分の停車。
津川駅では、機関車の点検作業と水の補給作業のため、すこし長めの停車をします。
15分というのはいちばん長い停車時間なので、この津川駅が最大の撮影タイムです。
さあ、思う存分「SLばんえつ物語」の写真を撮ろう!
給水作業中~
蒸気機関車というくらいだから、蒸気となる「水」が何より必要ですよね。
車両の石炭を積んである場所の下には、水のタンクが設置されています。
この水を沸騰させ、水蒸気にすることで圧力が発生し、シリンダーのピストンが動くという仕組みですね。
点検もはじまっています。
動輪の点検もしっかりと。
なんといっても、この動輪部分が前後上下に動くところがカッコイイ!
先頭車両の横についている板は「除煙板」といって、煙を横に逃がす役割があります。
デザイン上でもワンポイントになっていますよね。
煙突。
ボイラー安全弁。
石炭をスコップで運ぶのはかなり重労働。
昔はほんとうに大変だったんだなー
並んでいる列は、運転室に入れてもらえるのを待っている列。
わたしも運転室にも入れてもらいました!
早いもの勝ちなので、とっとと並びましょう。
運転士さんにスマホを渡して、撮影してもらいます。
何が何だかわからないが、メカメカしくてカッコイイ。
石炭を燃やす「火室(かしつ)」。
「火室」を開けると、オレンジ色にこうこうと燃えたぎる石炭が!
温度は「1000~1500度」にもなるそう。
車両に戻り、一路新潟へ。
だんだんと日が暮れてきて、夕陽の撮影タイム~
カップルで乗るのもいいですね。
夕焼け空がきれい。
19時06分、新潟駅到着。
おつかれさまでしたー
このあとわたしは新潟駅そばの居酒屋へ繰り出し、佐渡島のおいしい海の幸と日本酒を堪能しました(笑)
『SLばんえつ物語』おまとめ
福島から新潟にかけて広がる磐越地方の絶景を楽しめる『SLばんえつ物語』。
景色がすばらしいだけでなく、日本酒や食べ物もおいしいので、グルメなひともしっかりと楽しめるコースです。
小さい子供さん連れのファミリーから、年配のかたまで、幅広い年代の人たちが乗っていました。
車内にいる乗務員さんはもちろん、機関士さんたちも実にフレンドリー。
笑顔で快く写真にも応じてくれますし、ほんとうに機関車が好きなんだなと言う熱意がバシバシ伝わってきました。
鉄道マニアだけでなく、多くの人に人気なのもうなづけます。
かなりの苦労で復活させた『SLばんえつ物語』。
まだまだ現役でがんばってほしいですね。
今度は逆路線の新潟スタート会津若松ゴールで行きたいな♪