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ロシア

飛行機より列車?モスクワとサンクトペテルブルク間の列車比較!おすすめはこれだ!

ロシア観光で人気の都市といえば、クレムリンがある首都モスクワと、エルミタージュ美術館があるサンクトペテルブルク。
このモスクワとサンクトペテルブルクの2大都市の移動に最適なのが、飛行機よりも列車!
ドル箱路線であるモスクワ~サンクトペテルブルク間は、列車の種類も便数も豊富です。

ですが、列車が「7種類」と多く、どの列車をどう選んだらよいのか、違いがよくわからないのですね。
まず、ロシア初心者のかたはチンプンカンプンでしょうし、ロシアの旅のガイドブックにも詳しく書かれていません。

ということで本記事では、モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ移動手段の比較(飛行機&列車)、7つの列車から選ぶおすすめの列車とその比較&ポイントについて書いてみました。

参考にしてみてくださいね!

飛行機vs鉄道!モスクワとサンクトペテルブルク間の移動手段比較

モスクワとサンクトペテルブルク間を移動する場合、「飛行機」と「鉄道」の2つに大きく分けられます。
距離は約650キロ。
(東京から函館まで680キロ)
まずはこの2つを比較してみましょう。

「飛行機」でモスクワからサンクトペテルブルクへ移動する場合

ロシア『アエロフロート』画像
「飛行機」の場合、モスクワ~サンクトペテルブルク間の飛行時間は「約1時間30分」と短いです。

ですが、空港へ行くまでの時間がポイントになります。
アエロフロートの便でシェレメチェボ空港からサンクトペテルブルクへ行く場合を想定してみます。
ロシアの成田エクスプレスともいえる特急「アエロエクスプレス」号に乗ると、ベラルースキー駅からシェレメチェヴォ空港までは、所要時間30?35分。

タクシーやバスなどの車で空港まで移動する場合は、渋滞が大きなネックになります。
とくにモスクワの渋滞はひどいです。
わたしも以前渋滞にはまって身動きが取れず、乗り遅れたことがあります(笑)

サンクトペテルブルク側のプルコヴォ空港から市内中心地の起点となるモスコフスキー駅までは、バスで約1時間。

空港のチェックイン時間などをプラスすると、トータルで5時間くらいはかかる計算になります。

・ベラルースキー駅までの移動時間:約30分
・特急「アエロエクスプレス」に乗ってシェレメチェボ空港まで:約30分
・チェックイン作業など空港で待機する時間:1時間30分
・モスクワ~サンクトペテルブルク間の飛行時間:1時間30分
・プルコヴォ空港からモスコフスキー駅までのバス移動時間:1時間

エアチケットの値段は、航空会社や時間帯、取得のタイミングによっても変わってきますが、だいたい6000円~15000円くらいですね。
(航空会社は、「アエロフロート」のほかにも「S7」「UTエアー」「ポベーダ」などがあります)

「鉄道」でモスクワからサンクトペテルブルクへ移動する場合

ロシア『グランドエクスプレス』画像
モスクワとサンクトペテルブルク間の移動手段の主役は、なんといっても「列車」です。
ロシアは、シベリア鉄道なども走る鉄道大国ですからね。
時間も正確ですし、天気の変化にも強く、雪が降ってもびくともせずに走ります。

時間的には、高速列車「サプサン」であれば「3時間45分」でモスクワ~サンクトペテルブルク間を最速で運行します。
あとは、時間はかかりますが、夜行で走る寝台列車がメインとなります(8時間)。

列車の場合、モスクワ、サンクトペテルブルクの両発着駅とも街の中心地にあるので、観光客にはとくに便利。
移動がとても楽です。
モスクワ側の発着駅となるのは、「レニングラードスキー駅(Ленинградский вокзал)」

サンクトペテルブルクの発着駅となるのは、「モスコフスキー駅(Московский вокзал)」
(メトロの「モスコフスカヤ」ではないので注意)

駅でのチェックイン時間などをプラスすると、こちらもトータルで5時間くらいはかかる

・レニングラードスキー駅までの移動時間:約30分
・チェックイン作業など駅で待機する時間:30分
・モスクワ~サンクトペテルブルク間の乗車時間:3時間45分(寝台列車の場合8時間)

ともにトータル5時間くらいで、時間的に大きな差はありませんね。
飛行機の方が圧倒的に速いという結果にはなりません。

チケットの値段は、高速列車「サプサン」のいちばん安いチケットで4000円代から出ています。
コスト的にも、飛行機とそれほど大きな差はありません。

時間、コストを比較すると、ほとんど「飛行機」と「列車」に差はありません。
ポイントとなるのは、天候などの影響に強いかどうかや、観光する時間の組み立て方ですね。
そう考えると、雪などの天候にめっぽう強く、寝台列車などの深夜便含め時間の選択肢の多い「列車」利用のほうが、総合的におすすめですね。

モスクワ~サンクトペテルブルク間を走る鉄道を比較

モスクワからサンクトペテルブルクへ移動する場合、「列車」がおすすめと書きました。
では、モスクワとサンクトペテルブルク間を結ぶ路線には、どのような「列車」があるのでしょうか?

実は、モスクワ~サンクトペテルブルク間の路線は「7つ」もあるのです。
意外にいっぱいありますよね^^
現在は、以下の7つの路線が、モスクワからサンクトペテルブルク間の列車移動の選択肢として挙げられます。

・サプサン(Sapsan・日本語名「ハヤブサ号」)
・グランドエクスプレス(Grandexpress)
・エクスプレス(Express)
・レッドアロー(Red Arrow・日本語名「赤い矢号」)
・ダブルデッカー(Double-Decker)
・メガポリス(Megapolis)
・トゥーキャピタル(Two Capitals train)
・スメナ(Smena)

ですが、7つも選択肢があると、どれを選んだらよいのかわかりませんよね。
日本人観光客が列車を利用するのあれば、スタンダードである以下の3つの中から選ぶといいでしょう。

・サプサン(Sapsan・日本語名「ハヤブサ号」)
・グランドエクスプレス(grandexpress)
・クラースナヤストラナー(Red Arrow・日本語名「赤い矢号」)

サプサン

ロシア『サプサン』画像
「サプサン」は、2009年からロシアに導入された高速鉄道(車両はシーメンス製高速鉄道車両ヴェラロシリーズ)。
ロシア版新幹線ですね。
時速250キロで走り、モスクワ~サンクトペテルブルク間を「3時間45分」で走ります(便によって若干所要時間変わります)。
移動時間は3つの中でいちばん速いので、とにかく速く移動したい場合は「サプサン」がおすすめ。
チケットの値段は、クラスや時間帯、取得するタイミングによって幅があり、40ドル台~1000ドル以上まで。
いちばん利用する場合が多いエコノミークラスは、40ドル台(2000ルーブル台)~100ドル台(5000ルーブル台)くらいですね。
1日16便出ています。

公式ホームページ ⇒ https://sapsan.su/

レッドアロー

ロシア『レッドアロー』画像
「レッドアロー」は、ソビエト時代初の寝台列車。
なんと、1931年から運行開始。
日本語名「赤い矢号」、ロシア語名「クラースナヤ・ストレラー(Кра?сная стрела?)」といえば、昭和の旅人や鉄道ファンからすると懐かしさと憧れを抱くブランドでもあります。
ですので、クラシカルな昔ながらのロシアの寝台列車の雰囲気を味わいたいのであれば、「レッドアロー」がおすすめ。
所要時間は「8時間」。
チケットの値段は、クラスや時間帯、取得するタイミングによって幅があり、70ドル台~300ドル台くらい。
いちばん利用する場合が多いエコノミークラスは、70ドル台(3500ルーブル前後)くらいですね。
1日1便です。
・モスクワ23:55発~サンクトペテルブルク07:55着
・サンクトペテルブルク23:55発~モスクワ07:55着

グランドエクスプレス

ロシア『グランドエクスプレス』画像
「グランドエクスプレス」は、モスクワ~サンクトペテルブルク間を走る列車の中で、最も豪華でサービスがよいと評判の寝台列車。
プレミアム(普通の部屋のサイズ)、グランド(通常の1.5コンパートメントのサイズ)、インペリアルとグランドデラックスキャビン(両方のキャビンは2つの通常のコンパートメントに相当するサイズ)の4種類のVIPキャビンがあります。
所要時間は「8時間52分」(便によって若干所要時間変わります)。
チケットの値段は、クラスや時間帯、取得するタイミングによって幅があり、80ドル台~700ドル台くらい。
いちばん利用する場合が多いエコノミークラスは、80ドル台(4000ルーブル前後)くらいですね。
1日1便です。
・モスクワ23:40発~サンクトペテルブルク08:36着
・サンクトペテルブルク23:44発~モスクワ08:14着

公式ホームページ ⇒ https://www.grandexpress.ru/en/

観光メインなら寝台列車がおすすめ

では、上記の3つの列車からどれを選ぶか。
今回わたしは、モスクワ滞在中のサンクトペテルブルク観光にあたり「グランドエクスプレス」をチョイス。
理由は下記。

・寝台列車であること
・「レッドアロー」はすでに乗っている
・エルミタージュ美術館の開場時間に余裕で間に合う
・わたしのロシア人ビジネスパートナーがおすすめしてきた

寝台列車であることは、ホテル代が1泊浮くということです。
コストの面から考えて、ホテル代より寝台列車利用のほうが安ければ節約になりますね。

あとは、観光したい場所との時間との兼ね合いですね。
スケジューリングからの組み立てというところから逆算するといいですね。

サンクトペテルブルク観光の目玉であるエルミタージュ美術館の場合を例にして話をすすめますね。
まずエルミタージュ美術館の開館時間は、10時30分から。
高速列車「サプサン」の場合、始発便はモスクワ5時45分発、サンクトペテルブルク到着が9時15分。
開館時間まで1時間15分です。
寝台列車の「レッドアロー」「グランドエクスプレス」場合、ともに8時30分頃に到着します。
開館時間まで2時間です。

わたしの行動を時系列で書いていますね。

・8時36分:寝台列車「グランドエクスプレス」でサンクトペテルブルクに到着
・15分ほど、到着した「モスコフスキー駅」を散策・撮影
・15分ほど、荷物を預けるために宿泊予定ホテルまで歩く
・15分ほど、ホテルで荷物を預ける手続き
・45分ほど、ホテルのそばのレストランで朝食
・30分ほどぶらぶら歩きながら、エルミタージュ美術館へ

上記の行動パターンで約2時間です。
わたしはサンクトペテルブルクに何回も行っていますし、ロシア語もわかるので慣れていますが、はじめてのサンクトペテルブルク訪問の場合、もう少し時間がかかると思います。
そう考えると、高速列車「サプサン」でエルミタージュ美術館の開館時間にあわせようとすると、かなり時間があわただしくなるのがわかりますね。

余裕のある時間の組み立て方を考えると、寝台列車がおすすめかなと。
どうしても日帰り観光ということなら、高速列車「サプサン」がいいですね。

あとは、どんな旅のスタイルで楽しみたいか。
最新テクノロジーの高速列車が好き、鉄道の旅をたっぷり堪能できる寝台列車が好き、とにかく安く楽しみたい・・・
ご自身の旅の目的や好みから、ぜひお好きな列車をチョイスしてみてくださいね。