このところ「ノマドライフ」について真剣に考えることがあったので、再度『ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと』(本田直之著:朝日新聞出版)を読み返しました。
「ノマド」の定義はいろいろとあります。
本田氏は、「ノマド」というのは「オフィスを離れ、カフェでノートパソコン1台で仕事をする」といった単純な話ではないといいます。
そしてこのように定義しています。
仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2ヵ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル。
これが私にとっての「ノマドライフ」です。
まさにこの文章に私の考える「ノマドライフ」も凝縮しています。
とくに「スパイラルになる」というのが「ノマドライフ」の重要なキーになってくると思います。
この本の中で、私の中で特に重要なポイント、書いておきたいことをまとめてみます。
目次
モノ・場所・時間・お金から自由になる
これからは、できる限り縛られない。究極的にはお金にも縛られず、移動によって思考を柔軟にし、自分独自の価値観を持つ。こうして何にも依存することなく自由に生きることが、ひとつの幸福ではないかと考えています。(P24)
会社に就職して働くということ、一つの会社からお給料をもらうということ、35年ローンを組んで一つの家に住み続けること・・・これらは「依存」していて「縛られている」状態。
高度成長期は、このモデルでも十分ペイできた。
でも、今はペイどころか逆にハイリスクである。
ソニーといった世界的グローバル企業もリストラの嵐。
華やかだったテレビ業界や新聞業界も、新たなメディアの誕生で活路を見いだせないでいる。
一つのことに依存しすぎる傾向、そのリスクについてほとんどの人は薄々感じていると思う。
見ないふりをして自分だけ大丈夫ということでなく、依存するスタイルから脱却し、変化していかないと波に飲み込まれてしまう。
ノマドライフの収入の変化
本田氏は、ノマドライフを続けることでの収入の変化について書かれています。
要は、ノマドライフを始めた当初は収入が減るがそのうち上がってくるということ。
なぜ上がるのか。ノマドライフは続けていくと、ライフスタイルそのものがコンテンツになるからです。ライフスタイルを突き詰めるほどに生活や仕事のスキルが上がり、その上がったスキルからビジネスをクリエイトする能力が付くのです。(P30)
これは実感があります。
都心で生活していると、どうしてもビジネスワーカーとして「成長したい」という心理からビジネス書籍を読み漁ったり、セミナーに参加してノウハウを得ようとしてしまいがち。
もちろん役に立つのですが、他の人との差別化が難しい。
ノマドライフを続け、動くことでたくさんの人と出会い、たくさんのチャンスと出会い、たくさんのリアルな失敗を重ねる。
そうすることで、卓上では得られないスキルやチャンスをものにできる。
そして、収入とは「お金(キャッシュ)」だけではないということ。
ノマドライフは「今すぐ」できない
本田氏が、今のノマドライフ、デュアルライフを構築するまで15年という時間がかかっているとのこと。
今までどっぷりと安定型・依存型の生活を送ってきた人は、やはりそれなりの準備が必要と説く(P35)。
そして、ノマドライフまでを「6つのフェーズ」に分けて紹介している。(P38)
確かにその通りだと思う。
ネットのスキルもない。
海外に行ったこともない。
物欲にまみれた生活をしている。
といった人が、いきなり会社をやめてしまっても途方に暮れるだけだろう。
「誰にでもできる」と「すぐにでもできる」は全く別の意味である。
しかし、本田氏は本当にすごい。
普通の人はここまでストイックにできないだろうと思う。
理解はできるが、本田氏とは違う自分にあったアプローチが必要だと思う。
「もう一つの仕事」を見つける種蒔きをする
「本業という枠を設けない」「仕事は一つではない」ということを本田氏は説いています。
そして、このように書いています。
一つの仕事にこだわらず、種をいろいろと蒔いておくことです。長期的な視点で複数のビジネスをやってみれば、そのうちどれかが育ってきたりします。(P58)
この「種を蒔く」という作業はとても重要だと思います。
ただ、この「種を蒔く」というのが重要な作業とわかっていてもなかなかできないのがもどかしいところ。
これは「7つの習慣」の「重要だが緊急でない」というカテゴリのものですね。
「重要で緊急」「重要でないが緊急」ということに押し流される毎日の中で、この「重要だが緊急でない」という作業をいかにしっかりと理解して淡々と進めていくか。
そして、何が当たるかわからないからたくさんの種を蒔く。
自分がこの先どんなビジネスをミッションとしていくのか、どんな人との出会いでブレイクするのか、そんな未来のことは予知できない。
だからこそ、たくさんの種を蒔く。
「集中」と「マルチ」のバランスを取りつつ、継続でしょうか。
ネオシンプル思考をする
本田氏は「シンプル」なライフスタイルの定義についても書いています。
例えとして「シンプル=田舎暮らし」ではないと書いている。
わかりやすい。
仙人的な暮らしをしろというわけではない。
ネオシンプルは、「モノがなくても我慢して生きる」「少ないお金で生活する」というものではありません。持てるけれど、持たないという価値観。節約ではなく、選択。暮らしでも仕事でも、やり方を工夫し、追求したうえでのシンプル。減らすことで自由が増えるという、いわば前向きなシンプルがネオシンプルということです。(P141)
「持てるけれど、持たない」を主体的に選ぶこと。
これは重要なポイントですね。
ここを間違えると、「自由」という定義自体を大きく踏み外しますね。
ここは若い人よりも、物欲の時代、バブルの時代を経験した40代以上の人のほうが思考をチェンジするのが大変かもしれませんね。
「自己ブランド」強化のための「セルフメディア」を持つ
「ノマドライフ」だからこそ、人とのつながりが重要。
その時に、ネット、SNSでのつながり、関係性を築いておくことが大事。
そのために「セルフメディアを持つ」「自分ブランドの強化」が大事だと本田氏は説いています(P156)。
個人としてのベースでも、しっかりと会社組織と互角といえる大きな力を持つためにはメディアを持つ必要がある。
それは、ブログであったり、ホームページであったり、メルマガであったり、フェイスブックであったりそれはいろいろだろう。
いずれにしても、そういったメディアを自分のセルフメディアとして大いに活用する必要がある。
今や「ブロガー」だけでなく、「ユーチューバー」という職業までも一般的になってきた。
個人でも力のあるメディアを持てる時代。
これを生かさない手はない。
まとめ
この『ノマドライフ』という書籍は、まさに本田直之氏が伝えたい新たなライフスタイルが凝縮された渾身の1冊ですね。
すっきりと読みやすい中にも、重要なポイントだらけである。
今ではノマド成功者として活躍している本田氏でも、これまで多くの不安との葛藤、迷いがあったのだと思う。
そういう不安を乗り越えてきた氏が利用してきたアイテムや考え方がここにある。
まさに「好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと」である。
あとは行動をするかしないか。
行動する勇気を持てるか。
あとは自分で選ぶだけですね。
こちらの本もご参考にどうぞ。