こんにちは!
Ken(@kanyesina)です。
ロシア在住歴8年のわたしが、ロシアをこってりマニアックに紹介するシリーズ。
今回は、モスクワ観光に行ったらぜひ立ち寄ってほしいお店『エリセーエフスキー(Eliseevsky)』についてご紹介します!
何のお店かといえば、ロシア帝政時代からある高級食材スーパーです。
モスクワの中心部にあり、ロシアのガイドブックには必ず載っている有名なお店。
何でそんなにおすすめなのか。
まあとにかくその店内の内装がすばらしい!
そのネオ・バロック様式の豪華絢爛なインテリアは、1901年当時の歴史や雰囲気をそのまま残しています。
まるで、宮殿の中で買い物をしているような気分になります。
もちろん、ロシアならではの食材や総菜類も充実しています。
見ているだけで、「ロシアの食文化ってこうなんだ」ってワクワクしながら勉強できますよ。
本記事では、モスクワを代表する高級食材スーパー『エリセーエフスキー』について紹介しますね。
『エリセーエフスキー』の歴史
まずは簡単に『エリセーエフスキー』についてまとめてみます。
おそらく、日本語でいちばん詳しく『エリセーエフスキー』の歴史を書いていると思います(笑)
『エリセーエフスキー』は、1901年にオープン。
モスクワでは、最初の本格的な食料品専門店とも言われています。
この『エリセーエフスキー』という店名は、元オーナーのグレゴリー・エリセーエフ(Grigory Eliseev)の苗字に由来しているものですね。
彼はロシア帝政時代の商人で億万長者。
この人がエリセーエフ氏。
『エリセーエフスキー』は、その多種多様な商品ラインナップだけでなく、豪華絢爛なインテリア、葡萄の房をイメージさせる巨大なシャンデリア、アーチ形の高い天井などが話題となり、人気店となりました。
下の画像が『エリセーエフスキー』の店内。
奥に見える肖像画の人物がグレゴリー・エリセーエフ氏ですね。
そして、『エリセーエフスキー』を象徴する葡萄型巨大シャンデリア、アーチ形の高い天井にも注目。
この建物自体は、18世紀末、エカテリーナ二世の国務長官長官だったグレゴリー・コジツキー(Grigoriy Kozitskiy)が、美しい妻エカテリーナ・コジツカヤ(Ekaterina Kozitskaya)のために、建築家のマテイ・カザコフ(Matvey Kazakov)に建設依頼したもの。
1824年には、建物を引き継いだジナイダ・ヴォルコンスカヤ(Zinaida Volkonskaya)が、文学サロンとしてオープン。
プーシキンやイワン・ツルゲーネフといった詩人や文豪、芸術家たちも集まっていたそうです。
その後、この建物はグレゴリー・エリセーエフに買い取られます。
この時すでにグレゴリー・エリセーエフは、サンクトペテルブルクのネフスキー大通りにロシア最大の食品店『エリセーエフスキー』をオープンしていました。
ですので、モスクワの『エリセーエフスキー』は2号店になります。
建物は、オープンににあわせて建築家Havriil Baranovskiyによって高い天井に改装。
1901年、「The Eliseev Store and Russian, Foreign Wine Cellars」としてオープンしました。
これは、1913年当時の『エリセーエフスキー』。
外観やインテリアは、基本的に変わっていないですね。
ソビエト時代は「Gastronom№1(ガストロノム・ノーメルアジン)」と改名されましたが、スタイルは変わることなく営業。
下記の写真は、ソビエト時代の『エリセーエフスキー』の外観。
お店の名前が、ロシア語で「Гастроном(ガストロノム)」となっているのがわかります。
(現在、赤の広場の中にあるショッピングモール「グム」の中に、「Gastronom№1(ガストロノム1番)」という名前の食料品店があります。『エリセーエフスキー』とは関係ないと思われます)
現在は、食材の取引流通業者「アールイエ・パルサ(Alye Parusa)」と提携。
伝統的な店舗でありながらも、近代的なスーパーマーケットとして進化し、今に至ります。
『エリセーエフスキー』への行き方
『エリセーエフスキー』への行き方ですが、モスクワ中心部にあるのでいろいろなパターンで行けます。
メトロで行く場合は、「プーシキンスカヤ」駅、「トゥベルスカヤ」駅、「チェーホフスカヤ」駅が最寄り駅になります。
この3つの駅は地下でつながっているので、どの駅で降りても同じです。
駅からは徒歩3分くらいです。
「赤の広場」の最寄り駅「アホートヌィ・リャト(Okhotny Ryad)」駅からは、徒歩で15分ほど。
トゥベルスカヤ通りをまっすぐ歩いていけば、『エリセーエフスキー』へ到着します。
ですので、「赤の広場」や「クレムリン」観光するときに、セットで計画してもいいですね。
こちらが、『エリセーエフスキー』の外観。
シンメトリーなデザインが美しい。
薄いピンクの壁の色も、実にマッチしています。
建物全体の外観は、以下のストリートビューを見てもらえると、さらにわかりやすいです。
入口横には、ロシア語で「Елисеевский(エリセーエフスキー)」の文字が。
重厚な入口。
面白いデザインのドアノブ。
『エリセーエフスキー』に行ったら、まず見てほしいのがシャンデリア。
葡萄の房をイメージした巨大なシャンデリアが特徴的です。
店内には、シャンデリア以外にもところどころに葡萄を意識したデザインが見られます。
これは、ワインショップとしてスタートしたことが影響しているのかもしれないですね。
店内の中に葡萄のアイテムがちょこちょこ隠れているので、それを見つけるのも楽しい。
そして、なんといっても天井周辺の装飾。
アーチが多用された曲線、立体的で豪華な彫刻装飾、光と影のバランス・・・すばらしい。
店内のいたることろに設置されている鏡。
お店を広く見せる効果絶大。
グレゴリー・エリセーエフの肖像画。
柱のデザインや装飾も独特。
ステンドガラスも要チェック。
アーチ、曲線、柱、窓、光、装飾といったネオ・バロックらしい特徴的な部分を意識して見ると、より楽しめますよ。
博物館か貴族の家の中で、買い物をしている感覚になります。
食材も新鮮で豊富。
こちらは精肉コーナー。
ロシアでは日本と同じく、牛肉、豚肉、鶏肉が肉料理のメイン。
鮮魚コーナー。
日本とはまたちょっと違う魚のラインナップ。
川魚も多いです。
イクラなどの魚卵も、ロシアではよく食べられます。
鮭やチョウザメはもちろん、それ以外の魚卵もあります。
ちなみに、「イクラ」ってロシア語です。
「魚卵」っていう意味で、鮭のイクラは「赤いイクラ」と言い、キャビアは「黒いイクラ」と言います。
フレッシュなフルーツや野菜もあります。
ロシアらしいデリカテッセン(総菜)もたくさん並んでいます。
デリは見どころです。
個人的には、ビーツを使った「オリビエ・サラダ」や「毛皮を着たニシン(セリョートカ・バト・シューバ)」がおすすめ。
ロシアのデリに興味があれば、昔わたしがロシア在住時代に食べていたデリをまとめたブログも読んでみてねー
パンも豊富。
ピロシキはもちろん、ロシアの家庭で食べられるバトン(白パン)や黒パン、レピョーシカ(ロシアのナン)なども揃っています。
冷凍食品もたくさんあります。
ロシアの餃子「ペリメニ」なども冷凍食品でたくさんの種類がありますので、見てみると面白いですよ。
ロシアのチョコレートやお菓子。
お土産にぴったり。
お土産なら、蜂蜜もおすすめ!
ロシアのハチミツは種類も豊富で、かなり美味しい。
ロシアらしい大きくで派手なケーキ。
紅茶コーナー。
ロシアでは、紅茶もよく飲まれます。
(「ロシアン・ティー」って言葉もありますよね)
『エリセーエフスキー』の店内をぐるりとまわって動画を撮りました。
ぜひお店に行った気分を味わってくださいね♪
『エリセーエフスキー』まとめ
わたしの大好きなお店『エリセーエフスキー』。
お店の中を歩いているだけでもワクワクするお店です。
ロシアの昔ながらの外観を残している建物はたくさんありますが、中に入って楽しめる場所はそうありません。
19世紀当時のロシアの歴史が漂う店内で、ぜひ買い物をたのしんでほしいですね。
『エリセーエフスキー』詳細
店舗名称 | ELISEEVSKIY STORE(Елисеевский магазин) |
住所 | Tverskaya St, 14, Moskva, ロシア 125009 |
電話 | +7 (495) 650-46-43 |
営業時間 | 24時間 |
アクセス・最寄り駅 | メトロ「プーシキンスカヤ」駅、「トゥベルスカヤ」駅、「チェーホフスカヤ」駅 |
公式ホームページ | http://www.eliseevskiy.ru/e_home.htm |
地図 |