香川県の「豊島」に、世界中の人々の「心臓音」を収集・保存している『心臓音のアーカイブ』があります。
そして、そこに保存されている2万人の「心臓音」を聞くことができるのです。
さらにすごいのは、自分の「心臓音」も録音し、登録し、聴くことができるんです!
もちろん私も、自分の心臓音を登録してきました。
とにかく、驚きと感動の体験!
では今回の記事は、豊島の『心臓音のアーカイブ』について書いてみますね!
目次
『心臓音のアーカイブ』って何?
まずは、『心臓音のアーカイブ』について簡単に説明しますね。
『心臓音のアーカイブ』というのは、「クリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltanski)」というフランス人アーチストの作品になります。
「世界中の人の心臓音を収蔵し、公開する」というテーマで、世界中(現在9か国)からすでに1万人以上の心臓音をアーカイブしています。
こちらが、クリスチャン・ボルタンスキー氏。
下記のインタビュー記事を読むと、クリスチャン・ボルタンスキー氏の作品に対して貫いているコンセプトや想いなどが書かれています。
興味深かったのは、「「心臓音のアーカイブ」をインターネット上にのせるとしたら、それはとても簡単なことですが、私はこの作品を豊島に設置することを望みました。」という部分。
このネット社会に対して、そして彼の作品の根底にある「生と死」というテーマへのメッセージ性を感じ取れます。
『心臓音のアーカイブ』へ行かれる前に一読することをおすすめします。
・クリスチャン・ボルタンスキー インタビュー「消えゆく記憶の融解点」
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_itv/S8QKgzwLPdbMtre1ycY4
『心臓音のアーカイブ』の場所と行き方について
では、『心臓音のアーカイブ』の場所について。
場所は、香川県の「豊島(てしま)」という離島にあります。
「豊島」へは、香川県高松から行くのがいちばん便利でしょう。
高松から「豊島」への行き方などについては、下記の記事にまとめていますので参考にしてみてくださいね。
『心臓音のアーカイブ』での所要時間について
『心臓音のアーカイブ』での所要時間についての質問が、意外にネットで検索されているので簡単に書いてみますね。
『心臓音のアーカイブ』の施設は、以下の3つから構成されています。
・インスタレーションが展示されている「ハートルーム」
・希望者の心臓音を採録する「レコーディングルーム」
・世界中から集められた心臓音をパソコンで検索して聴くことができる「リスニングルーム」
『心臓音のアーカイブ』施設内での所要時間は、1時間もかかりません。
施設自体はとても小さく、通常の美術館のように作品を見回るということはありません。
時間がかかるものは下記。
だいたい全行程で「30分~40分」程度だと思います。
・ 受付でチケットを買う:1分
・「レコーディングルーム」で自分の「心臓音」を録音する:5分~10分
・「ハートルーム」に入って「心臓音」を聞く:5分~10分
・「リスニングルーム」でアーカイブされている「心臓音」を聞く:10分~20分
「「リスニングルーム」でアーカイブされている「心臓音」を聞く」というのが、いくらでも時間延長できる部分です。
ですが、そうそう長くは聞けません(^_^;
ちなみに、豊島の家浦港からレンタサイクルで『心臓音のアーカイブ』へ行って、「豊島美術館」へ行って犬島へ行くというプランについても下記記事で書いていますのでご参考にどうぞ。
『心臓音のアーカイブ』はこんな場所でした!
今回は、豊島の「家浦港(いえうらこう)」から出発。
豊島にはもうひとつ「唐櫃港(からとこう)」がありますが、「心臓音のアーカイブ」へはそちらのほうが近いです。
港からのルートはこんな感じです。
グーグルマップでは車で30分程度と書かれていますが、実際はレンタサイクルで20~30分程度です。
今回は、港に隣接しているレンタサイクル屋さんで電動自転車を借りました。
4時間1000円です。
「心臓音のアーカイブ」までの道のりは、こんないい景色のところを走ります。
気持ちいいですよー。
動画もどうぞ。
こちらが「心臓音のアーカイブ」前にひろがるビーチ。
波の音が最高に心地よい場所です。
私はオープン(朝9時)前に到着していたので、ここで寝ていました。
こちらが「心臓音のアーカイブ」。
建物の外壁は、四国地方で今も多く見られる「焼杉」でしょうか。
表面を焼いて炭化させることによって耐久性、耐火性能が高まります。
『心臓音のアーカイブ』で「心臓音」を録音・登録してみた!
「心臓音のアーカイブ」では、基本的に「心臓音」を聞くだけの場所です。
ですが、自分の「心臓音」を録音・登録し、ここにアーカイブしてもらえるのです。
つまり、自分の「心臓音」が作品の一部になるのです。
もちろん私も自分の心臓の音を録音・登録してもらいましたよ!
ちなみに、録音・登録の料金は「1,540円」です。
(クレジットカード使えます)
受付の横にある「レコーディングルーム」にはいると、パソコンとヘッドホンと聴診器が置いてあります。
この長い棒が聴診器です。
これが心臓に押し当てるマイクの部分。
こちらがヘッドホン。
使いかたは、パソコンにそって進めていきます。
まずは、「日本語」か「英語」を選びます。
次は同意書の画面。
次に、名前やメッセージを記入。
そして、ヘッドホンを装着し、マイクを心臓に近い部分に当てて録音開始!
しばらくマイクを押し当て録音~
録音が終わったら、すぐ視聴可能です。
録音が失敗しても、再録音できます。
録音の登録が完了すると、登録番号が表示されます。
私の心臓音の登録番号は「19865」です。
行かれた方は聞いてみてくださいねー
『心臓音のアーカイブ』で「心臓音」を聞いてみる
自分の「心臓音」の登録・録音が終わったら、メインの「ハートルーム」へ。
薄暗い部屋の中では、大音量で「心臓音」が鳴り響いています。
自分の心臓音を録音・登録した人は、この「ハートルーム」ですぐにその音を聴くことができます。
大音量で聴く自分の「心臓音」。
自分の耳ではじめて聴いた自分の「心臓音」。
なんか不思議な感じです。
自分のカラダの中に、「ドクンッ!ドクンッ!」とこんなにも躍動している音を出すパーツがあるなんて。
なにか自分の分身を見た感じがしました。
真っ暗な部屋の中で聴く「心臓音」。
あたかも、体内にいるように錯覚させる仕掛けは、本当に不思議な感覚を味わえます。
自分の「心臓音」のあとには、他の人の心臓音も流れてきます。
おおー!全然違う!
びっくりするくらい心臓の音って違いました。
ある人のリズムは速く、ある人は遅く。
ある人のリズムは心地よく、ある人のは違和感を感じる。
ある人のリズムは音楽のように、ある人のリズムは雑音のように。
「心臓音」にここまで個性があるとは驚きでした。
『心臓音のアーカイブ』でいろんな人の「心臓音」を聞いてみる
「心臓音」の不思議な魅力に取りつかれたら、「リスニングルーム」でゆっくりとアーカイブを楽しむことができます。
パソコンが用意されていますので、そこから登録されている「心臓音」を聞くことができます。
ランダムに聴くこともできますし、登録番号を入力して聴くこともできます。
ちなみに私の登録番号は「19865」ですよー^^
『心臓音のアーカイブ』おまとめ
『心臓音のアーカイブ』は、とても行ってみたかった場所でした。
顔や性格が違うように、「心臓音」も違う。
しっかりとそこには「個性」がある。
そしてそこにはあきらかにもうひとりの「自分」がいます。
自分の「心臓音」と対面することで、いろんなものが見えてくると思います。
とても不思議な体験でした。
下の写真が、私の「心臓音」が入ったCD。
登録すると、その場ですぐにもらえます。
いい記念になりました。
『心臓音のアーカイブ』詳細
名称 | クリスチャン・ボルタンスキー 「心臓音のアーカイブ」 |
住所 | 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃2801-1 |
電話番号 | 0879-68-3555(豊島美術館) |
FAX | 0879-68-2182 |
営業時間 | 3月1日 ~ 9月30日 10:00 ~ 17:00 10月1日 ~ 2月末日 10:00 ~ 16:00 |
定休日 | 火曜日(3月1日~11月30日) 火曜日から木曜日(12月1日~2月末日) ※ただし祝日の場合は開館、翌日休館 ※ただし月曜日が祝日の場合は、火曜日開館、翌水曜日休館 |
入場料金 | 510円(15歳以下無料) |
心臓音の登録料(CDブックレット付) | 1,540円 |
公式ホームページ | http://benesse-artsite.jp/art/boltanski.html |
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