私は自称「サウナ-」です^^
週に1回位のペースで通っています。
そんな私が今回のモスクワ滞在中に行きたかったのがロシアのサウナこと「バーニャ」。
(私が住んでいた時はまだ若かったので、あまりサウナに興味がなかった)
モスクワの「バーニャ」の中でも圧倒的な歴史と格式があり、モスクワ成人男子あこがれの「サンドゥヌィ(Сандуны )」へ行っていきました!
(決してあやしい店ではありません)
「バーニャ」って何?
最初にロシアのサウナ「バーニャ」について簡単に説明を。
「バーニャ」とは、ロシア式サウナのこと。
「サウナ」といえばフィンランドが有名ですが、ロシアも独自にサウナ文化を発展させてきました。
寒くて厳しい冬が長い、日照時間も少ないといったように、フィンランドとロシアでは共通項が多いですからね。
「バーニャ」自体は、フィンランド式サウナとかなり似ています。
ただ、フィンランド式に比べて「湿度」が高いです。
熱源に水を結構かけますね。
重めの熱気が対流する蒸しサウナという感じです。
(「ミストサウナ」とは全く違います)
ロシアのバーニャの醍醐味は、実はそういった「方式」や「スペック」的なことではありません。
楽しむべきはその「スタイル」。
ロシア人は、ただ「バーニャ」の高温の浴室に入るだけが目的ではないのです。
仲間との絆を深めるための要素が大きいのです。
「バーニャ」の施設には、たいてい浴室とは別に食べたり飲んだりできる休憩スペースがあります。
「バーニャ」に入ってひと汗かき、水風呂浴びて身体が整ったら、この休憩スペースに戻ってきます。
そして、ビールやウォッカをあおり、ボルシチやピロシキを食べます。
裸のまま、飲んで食べて騒いで。
そしてまた「バーニャ」へ入り、また休憩スペースへ戻って宴会。
このくり返しです。
こんな感じです。
裸と裸のつきあいになりますから、そりゃ親密になります^^
だからロシアの「バーニャ」は、基本的に一人では行きません。
レストランのように予約をし、部屋やスペースを確保します。
そこで心ゆくまで仲間たちと楽しむのです。
これがロシアの「バーニャ」を味わう醍醐味。
サウナの温度や湿度といったことだけでは、ロシアの「バーニャ」の魅力はわかりません。
こういったロシアのようなスタイルが日本にもあるといいなあと思います。
「サンドゥヌィ」の歴史
では、「サンドヌィ」について簡単に説明を。
(館内撮影禁止だったので、ここから先の画像は私個人のものと公式HPおよび動画からお借りしたものを使用しています)
「サンドヌィ」は、ロシア語で「Сандуны」と書きます。
呼び方としては、「サンドゥノフスキエ・バーニ(Сандуновские бани)」と言います。
その歴史は古く、設立はなんと1808年!
現在の建物と同じようなスタイルになったのは1896年。
当時は貴族専用で、こんな感じだったようです。
現在の建物の佇まいも、ちょっとした歴史を感じます。
看板もかっこいい!
創立者はこちらのご夫婦。
この人の名前がサンドノフ( Сандунов)さんなので、「サンドヌィ(Сандуны)」という店舗名は彼らの名前から取られたものですね。
とにかく有名な場所で、館内にはロシアの名だたる要人、文化人、芸能人、スポーツ選手といった有名人の写真がずらり。
この「サンドヌィ」がいかにステイタスがある場所なのかを感じます。
建物内も、このように格式高い作りになっています。
「サンドヌィ」でロシアンサウナを堪能する!
「サンドヌィ」の浴室は、館内の上にあります。
こんな宮殿のような螺旋階段を上がっていきます。
階段を上り、ドアをあけると、そこには男の楽園が広がっています^^
ジャーーーン!!
まずそこには、着替えと食事と行うスペースが広がっています。
半個室と、区分けされたエリアがあります。
この個室やスペースを予約します。
このへんの雰囲気としては、サッポロライオンの銀座8丁目店のような感じですね。
予約していたスペースに案内されたら、まずはサウナセットの購入。
今回は、サウナハット、葉っぱ、サンダルの3点セットを購入。
このサウナハットはロゴ入りでカッコいい!
この葉っぱは日本では「ヴィヒタ」と呼ばれていますが、ロシアでは「ベーニク(Веник)」と言います。
こちらでは、定番の「白樺(ベリョーザ・берёза)」の他にも「ユーカリ(ユーカリプト・эвкалипт)」がありました。
これは必須アイテムです!
着替えたら(脱いだら)、お待ちかねの「バーニャ」へ。
浴室に入ると、広いスペースがドーーンと広がっています。
葉っぱを水に浸してなじませるスペースもたっぷりと確保されています。
それくらい重要なアイテムだということですね。
こんな感じでバケツに水を入れて、数分浸して葉っぱを柔らかくします。
これは水風呂。
五右衛門風呂のような樽型のスタイル。
水温はそれほど低くはなく、おそらく20度くらいではないかなと思います。
こんなゴージャスなプールもあるので、こちらに飛び込んでもよし。
バーニャの内部はこんな感じです。
2階に上がってバーニャを堪能します。
バーニャの中に入ってすぐ右手には、大きな熱源があります。
まるで巨大なストーブです。
熱源は木炭。
柄杓で水をすくって
水を勢いよく木炭へ向かって「バシャッ!」とかける!
かけまくって水蒸気を出す!
蓋を「バコバコッ」っと開け閉めして中に空気を送り込んで温度をさらに上げていく!!
真っ赤に燃える木炭!!!
タオルをぶん回して熱波を対流させるロウリュ!!!
湿度の高い熱気が襲って来る~~!
身体が芯から熱くなって耐えられなくなったら、バーニャの外へGO!
そして、上に設置してあるバケツの下へ!
バケツから垂れ下がっているロープを引っ張ると・・・
バケツが傾いて・・・
冷たーーい水がザバーーンと!!
これが最高です!!!
ちょーーーー気持ちいいです!!!
この「バシャーーーッ」を何回もやりました^^
これ日本でもやって欲しいなあ。
さて、今度は水に浸していた「葉っぱ(ベーニク)」の登場です。
こちらでは、全身に豪快に使います。
ちなみに、この時の葉っぱはものすごく高温になっています(本当に手袋していないとヤケドするほど)
まずはサワサワと。
グイーーッと押し付けて
振りかぶって~~~
バシバシっと叩きつける!!
足もいくよー
腕もいくよー
顔もいくよー
表もやるよー
仕上げ~
熱々になった葉っぱは、ちょっと想像を越えるようなアイテムに変わります。
押し付けられると、天然の高温湿布をしているような感じです。
叩きつけられると、葉っぱから熱湯が飛び散ります。
そして熱波が襲ってきます。
葉っぱのとげとげが皮膚をひっかきます。
皮膚が真っ赤になって悲鳴をあげます。
限界に来たところで冷水!
急速に身体の温度が下がる。
これが最高!
もう病みつき!
「葉っぱ(ベーニク)」を使うことで、バーニャの効果はさらにアップしますね。
さわやかな香りもたまりません。
これは使わないといけないアイテムですね。
(ちなみにスタッフさんにやってもらうのは有料です)
バーニャを出たらビール!
バーニャをひとしきり堪能したら休憩ルームに戻ります。
そして、こんな感じで裸のまま飲み物や食べ物をオーダー。
そして生ビールを流し込む!
至福!!
悶絶!!!
みんなこんなになっちゃいます。
食事のレベルも非常に高いです。
今回はピロシキとボルシチを食べました、かなり美味しかったですね。
とくにボルシチは、私が今まで食べたボルシチの中でも1、2番くらいのレベル。
軽くスパイシーに仕上げられた味付けが抜群に美味かったです。
ひとしきり休憩したら、またバーニャへ。
そして休憩。
そうこう繰り返すと、すっかり旅の疲れは吹き飛んでいた。
ロシアの人たちは、寒くて暗い閉塞的な日常や社会の中で、このようなバーニャ文化を発展させたのでしょうね。
日頃のストレスなどは一気に吹き飛ぶことは間違いない。
特にこの「サンドゥヌィ」は最高。
今まで入ったロシアのサウナの中でもダントツのレベル。
またモスクワ行ったら絶対にまた行くぞ!
■サンドゥヌィ詳細
名称 | Сандуновские Бани Sanduny Baths |
住所 | 107031, ул. Неглинная, д.14, стр. 3-7, Москва, Росси Neglinnaya UL 14,Moscow, Russia |
電話番号 | +7-495-625-4631,+7-495-628-4633 |
料金 | 1500~2300ルーブル |
営業時間 | 8:00~22:00 |
公式HP | http://www.sanduny.ru/ |
今回の記事にも利用した「サンドゥヌィ」に関しての動画もどうぞ~
おまけですが、ロシアの国民的な映画で「Ирония судьбы,или с лёгким паром」(1975年 エリダル・リャザノフ監督作)という作品があります。
ロシアでは毎年必ず大晦日にテレビで放送される紅白歌合戦みたいな映画です。
日本でもDVDが出ていて、日本語のタイトルは「運命の皮肉」です。
下記の動画は、この作品の有名なサウナのシーン。
社会主義時代のソビエトと、彼らとサウナの関係が実によく描かれています。
よかったら見てみて下さいね。
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