こんにちは!
Ken(@kanyesina)です。
ロシア在住歴8年のわたしが、ロシアをこってりマニアックに紹介するシリーズ。
今回は、ロシア最古の香水メーカー「ノーヴァヤ・ザリャー(Новая заря)」が生んだ、ソビエト時代の幻の香水『赤いモスクワ』です。
ソビエト時代に大流行した香水『赤いモスクワ』。
しかし、ソビエト崩壊とともに消え去ってしまうかと思われましたが、しぶとく今も生き残っているのです(笑)
幻の香り『赤いモスクワ』。
当時の女性たちを熱狂させた香りとはどんなものなのか。
しっかり嗅いできましたよ(笑)
そして、モスクワのどこで買えるのか?
赤の広場やクレムリンの観光ついでに買える店舗をピックアップしてみました。
では、さっそくいってみましょう!
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目次
ソビエト時代の幻の香水『赤いモスクワ』とは?
『赤いモスクワ』について、簡単に書いてみますね。
『赤いモスクワ』は、ロシア最古の香水ブランド「ノーヴァヤ・ザリャー(Новая заря)」が作っている香水。
日本語に訳すと「新しい夜明け」「あけぼの」といった意味。
現在は、ロシア最大の香水&化粧品メーカーとなっています。
1917年の10月革命後に、「ノーヴァヤ・ザリャー」という名前に変え、今に至ります。
元は「Brocard & Co(Брокар и Ко)」という石鹸や香水を作っていた工場でした。
「Brocard & Co」の設立は1864年。
工場を立ち上げたのは、フランス人ヘンリー・ブロカード(Henri Brocard)。
『赤いモスクワ』が誕生した時期は、はっきりとしていません。
1920年代半ばと言われています。
もともと「女帝の愛する花束(Любимый букет императрицы)」という香水(下記画像)として売られていたものを、1917年に改名・リメイクしたとも言われています。
『赤いモスクワ』の香りの作り手はアヴグスト・ミシェリ(Augustus Michel)。
フランス系ロシア人。
『赤いモスクワ』は、ソビエト時代にいちばん売れた香水と言われています。
1980年代には、年間1200万本が販売されていたともいわれています。
あまりにも売れすぎて、女性はみんな同じ匂いがしたという話もあります。
公式ホームページによると、昔から成分は天然成分のみ使用。
ベルガモットとネロリが主で、グレープフルーツとコリアンダーで補足とのこと。
ですが、ソビエト時代は原料の35%ほどが合成香料でないと不可能だったという文献もあり。
この辺のウソっぽい部分もロシアらしい。
そして、名前やパッケージに使われている「赤」という色もヒットの要因だったといわれています。
この「赤い」という色は、ロシアでは「美」「幸せ」「豪華」「国家」といったことを想起させる色。
そして1958年には、ブリュッセルの世界展で賞を受賞。
『赤いモスクワ』は、当時の女性たちがあこがれる要素が詰まった香水だったのですね。
ソビエト崩壊後は、工場が衰退し、品質が落ち、このまま無くなるかと思われました。
ですが現在、みごとに復活。
ロシアの31都市に38店舗を構えるまでになっています。
『赤いモスクワ』の香りを嗅いできた!
ソビエト時代最大のヒット香水『赤いモスクワ』。
やっぱり一度はその香りを嗅いでみたいということで、行ってきましたよ「ノーヴァヤ・ザリャー(Новая заря)」の店舗へ。
今回行った店舗は、赤の広場そばにある「革命広場(Площадь Революции)」店。
ポスターには「1864年」と強調されていますが、これは「ノーヴァヤ・ザリャー(Новая заря)」の前身である「Brocard & Co」の設立年ですね。
『赤いモスクワ』が販売された年ではないです。
店内には、ごっそりと『赤いモスクワ』が並んでいます。
ちなみに、『赤いモスクワ』のロシア語の発音は「クラースナヤ・マスクヴァ」です。
英語名は「Red Moscow(レッド・モスクワ)」です。
「Moscou rouge(モスクワ・ルージュ)」という英語名だったときもあります。
いろんな種類の『赤いモスクワ』がありました。
これがいちばんスタンダードな『赤いモスクワ』ですね。
フタが玉ねぎ屋根のような形になっているのが特徴。
値段は「444ルーブル(約888円)」。
内容量は「100ml」です。
下の写真は少し小さいサイズ。
値段は「344ルーブル(約688円)」。
内容量は「7ml」です。
上記の「100ml」とは、量が10倍以上違うのに値段があまり変わらないというよくわからない値付けです。
こちらはデオドラント(制汗)タイプ。
値段は「162ルーブル(約324円)」。
石鹸と『赤いモスクワ』とのセット。
値段は「2093ルーブル(約4186円)」。
「ノーヴァヤ・ザリャー」は、もともと石鹸を作っていた会社です。
『赤いモスクワ』のサンプルが置いてありますので、自由に嗅ぐことができます。
で、もちろん嗅いでみましたよ。
気になる香りの感想は・・・古臭い(笑)
なんか昭和の香水というか、いかにも香水というか、おばちゃんを想起させる匂い・・・
ナチュラル感、さわやかな感じはまったくありません。
シャネルの5番に似ているなんて比較されたりすることもありますが、ぜんぜん違いますね。
まー、ノスタルジー商品なんでしょうね。
もしかしたら、若い世代には逆に新鮮かもしれませんね。
『赤いモスクワ』は、公式サイトで通販もされています。
ですが、ロシア国内にしか配達していません。
ですので、実質日本人が購入するにはロシアの店舗のみということになりますね。
いちおう、公式通販の『赤いモスクワ』のページをリンクしておきますね。
⇒ 公式通販『赤いモスクワ』
『赤いモスクワ』が買える「ノーヴァヤ・ザリャー」の店舗
現在「ノーヴァヤ・ザリャー」は、ロシア国内に38店舗構えています。
その店舗の中で、モスクワ観光で立ち寄りやすいお店を3店舗ピックアップしました。
参考にしてみてくださいね。
「ノーヴァヤ・ザリャー 革命広場(Площадь Революции)」店
今回わたしが訪問した店舗です。
赤の広場にあるショッピングモール「グム」の横にあります。
店舗名称 | Ploshchad Revolyutsii(Площадь Революции) |
住所 | Nikolskaya St, 4/5(ул.Никольская,4/5) |
電話 | +8 (495) 698-34-07 |
営業時間 | 11:00~22:00 |
アクセス・最寄り駅 | メトロ「革命広場/プローシャチ・レボリューツィ」駅 |
地図 |
「ノーヴァヤ・ザリャー アルバート(Арбат)」店
観光名所のスタールィ・アルバート通りにある店舗です。
通りの真ん中あたり、ハンバーガーの「シェイク・シャック」、ロシア料理店「ムー・ムー」の辺りです。
アルバート通りには、もう1店舗「ノーヴァヤ・ザリャー」の店舗があります。
店舗名称 | Arbat(Арбат) |
住所 | Arbat St, 43(ул. Арбат ,43) |
電話 | +8 (499) 241-42-41 |
営業時間 | 10:00~21:00 |
アクセス・最寄り駅 | メトロ「スモーレンスカヤ」駅、「アルバーツカヤ」駅 |
地図 |
「トゥベルスカヤ(Тверская)」店
赤の広場前につながる大通りトゥベルスカヤ通りにある店舗です。
ロシア料理店「リッツカールトンホテル・モスクワ」の前辺りです。
店舗名称 | Tverskaya(Тверская) |
住所 | Tverskaya St, 4(ул.Тверская,4) |
電話 | +8 (495) 780-90-74 |
営業時間 | 10:00~22:00 |
アクセス・最寄り駅 | メトロ「アホートヌイリャト」駅、「ティアトラリナヤ」駅 |
地図 |
『ノーヴァヤ・ザリャー』詳細
名称 | ノーヴァヤ・ザリャー(Новая Заря) |
公式サイト(通販あり) | http://novzar.ru/shop/ |
フェイスブックページ | https://www.facebook.com/novayazarya |
インスタグラム | https://www.instagram.com/novayazarya/ |
幻の香水『赤いモスクワ』まとめ
ソビエト時代の遺産ともいえる幻の香水『赤いモスクワ』。
ソビエト崩壊後、消えてもおかしくない状態でしたが、しっかりと復活しましたね。
ある意味、すごいなと思います。
ソビエト時代のものって、どんどん消えてなくなっていますからね。
香水マニアの方は、ぜひコレクションしてほしい一品です。
ロシアでしか売っていない香水、ソビエト時代にいちばん売れた香水ということで、コレクターアイテムとしては面白いと思いますよ。