楠木建氏の著書『「好き嫌い」と経営』。
この中の楠木建氏と大前研一氏との対談の中で、「ルック・イースト政策」に絡んでのマハティール首相とのやりとりの一説が出てきます。
行政首都のプトラジャヤは今、マレーシアに行けば物理的にあるけれど、1990年代にはマハティールさんと私の頭の中にしかなかった。実行するとなったら、彼は私以外の誰の話も聞かない。2人だけが別世界へ行っているという感じでした。「このあたりにつくろう」と視察に行ったプトラジャヤは、ゴムのプランテーションとジャングル。四輪駆動で抜けたちょっと小高い丘の上で、遠くを見ながら2人で構想を語る。ヤブ蚊がいっぱい。思いだすと感無量です。マハティールさんというのは、すごいビジョン型の指導者だったと思いますよ。
そして、「PRESIDENT Online」での大前研一氏の記事にもこのようなことが書かれています。
それまで天然資源や観光業に依存していたマレーシアが世界的な大競争時代を生き抜くためにはどうするべきか、マハティール首相に提言した。最終的には最先端のITインフラを整備した総合開発計画である「マルチメディア・スーパーコリドー」構想へとつながるのだが、マハティール首相がすごいのは私の提言をすべて受け入れて実行したことだ。首相官邸や省庁を集約した新首都「プトラジャヤ」やハイテク関連企業が集まるハイテク工業団地「サイバージャヤ」の建設も、すべて「マルチメディア・スーパーコリドー」構想の一環なのだ。
この2つに出てくる「プトラジャヤ(Putrajaya)」ってなんでしょうか?
マレーシアの新首都?
クアラルンプール(KL)じゃないの?
このあまり聞きなれないけど、なんか重要そうなキーワードの「プトラジャヤ」。
どんなところか行ってみました!
これが「プトラジャヤ」だ!
「プトラジャヤ」についてウィキペディアの説明を一応載せておきますね。
プトラジャヤ(Putrajaya)はマレーシアの行政新首都として開発中の連邦直轄領で、首都クアラルンプールの南方約25kmに位置する。人口はおよそ7万人(2010年)。ほとんどが政府機関で働く職員とその家族である。
前首相マハティールの提唱により、1990年代半ばから開発が着手された。首都機能のプトラジャヤへの移転はあるものの、マレーシアの首都はクアラルンプールのままであり、国会もクアラルンプールにある。
市名のプトラジャヤは初代首相のトゥンク・アブドゥル・ラーマン(Tunku Abdul Rahman Putra)にちなんでいる。putraはマレー語で「王子」を意味し、jayaは「勝利」を意味している。なお、中国語では布城と表記(読みはブーチェン)。1980年代、過密化が進むクアラルンプールから行政機構を移転させる構想が第4代首相のマハティールによって発表された。新しい首都はクアラルンプールとクアラルンプール国際空港の間に建設するのが望ましいと提案され、1990年代中期にスランゴール州との交渉に入った。その結果、連邦政府はスランゴール州から46km2の土地を購入した。 新首都はBandar raya Taman, Bandar raya Bestari(ガーデンシティ・インテリジェントシティ)をテーマに設計され、都市の38%を緑地として保存するように計画された。プトラジャヤの建設はマレーシア最大の国家プロジェクトとして、マレーシアの建設会社の手によって1995年8月に始まった。建設費は81億米ドルを見込んだ。1997年のアジア通貨危機によって工事は遅れ、1999年に首相官邸の機能の一部がプトラジャヤに移転を開始、2001年2月にはクアラルンプールとラブアンに次いでマレーシアで3番目の連邦直轄領となった。
こちらも一応載せておきます。
・プトラジャヤ市政サイト
「プトラジャヤ」への行き方は比較的簡単です。
「KLIAエクスプレス」というクアラルンプール中心部とクアラルンプール国際空港を結ぶ列車を使えば、20分程度で到着します。
こんな最新鋭の列車です。
→「KLIAエクスプレス」公式HP
ここがプトラジャヤ・セントラル駅。
この駅からは、行政施設、モスクなどを順番に周ってくれるバスツアーもあります。
このカウンターでツアーの申込をします。
(確か午前中だけだったような気がします)
こんなバスで行きます。
これは観光の目玉のひとつ「ピンクモスク」。
中にも入れます。
ですが、以下の条件を満たす必要があります。
- きちんとした服装で肌の露出がないこと
- 騒がないこと
- モスク構内では、礼儀正しくすること
- 禁煙
でも私はイスラム教徒ではないですが入れました(^_^;
月経中の女性はダメみたいですね。
肌が出ないように、ねずみ男みたいなポンチョで頭と身体を覆って入ります。
モスクの巨大なドームの内側。
他にもまあ行政新首都らしい建物たち。
街もきれいに整備されています。
マレーシアの「ルック・イースト政策」、今後のマレーシア動きを感じたい、首都機能の分離化に興味があるということであれば「プトラジャヤ」は面白い場所ですよ^^
「プトラジャヤ」の動画!
動画もどうぞ。
こちらはモスク前の広場。
こちらは広場から橋を見たところ。
こちらは外観。
こちらはモスクの入り口から中に入って天井の見事な絵柄を眺められます。
こちらはまあ最先端なエリアだとわかる動画。
こちらはコンベンションセンターがある高台からの眺め。