キジー島旅行記パート2
ホテル・カレリアからシャトルバスに乗り「ペテューシキ港」へ。
ホテルの宿泊者も10人ほど乗っています。
15分ほどで港へ。
港というにはずいぶんミニマムでありますが、グリーンの色も鮮やかな船が2隻待機しています。
出発まで30分、どんどんと人が集まってきます。
どうやらいろんなホテルと提携しているようですね。
結局100人ほど乗れる船は満席。
帰りのチケット代わりになる番号札をもらって乗船。
キジー島まで1時間15分の船旅です。
天気がよかったということもあり船は大きな揺れもなく、快適、快適。
オネガ湖の島嶼(とうしょ)の中をグングンと突き進んで行きます。
予定通りキジー島へ到着。
こんな大型船も停泊
下船し、島を見渡すと、おお〜〜っ、遠くにあのプレオプラジェンスカヤ教会が見えるっ!
ついに来た〜
かなり興奮!
はやる気持ちを抑えつつ、まずはチケットの購入。
ここキジー島は、島が「キジー島保全区歴史建築民族国立野外博物館」ですからね。
チケットは必要です。
外人は「520ルーブル(約2340円)」、ロシア人は「100ルーブル」です。
ロシアでよくある2重価格です。
決して間違いではありませんので。
私は、交渉して「100ルーブル」にしてもらいましたが。
1人のガイドに10人くらいの観光客がついて島を動いていきます。
ロシア語がわからなければ、ガイドは必要ないでしょう。
まず最初に行ったのは、プレオプラジェンスカヤ教会!
あの黒光りする焔のようなフォルム!
想像通り、かっこいい〜
写真で見ると、玉ねぎ屋根の部分がかなり光沢があり、ペイントされているような感じがしましたが、実際は全然違った。
当たり前だが、天然の木が変色し、独特の質感と迫力を醸し出している。
圧倒的な存在感。
木造建築独特の手作り感、ぬくもり感の中に、職人の技術とプライドが感じられます。
そして教会ならではの神々しさ。
でも、どこかロシアらしい素朴感とキュートさを感じます。
修復中で触れることができなかったのが残念。
まだしばらく時間がかかりそうですね。
ポクロフスカヤ教会は中に入れます。
今でもミサが行われており、教会として立派に機能しています。
イコンもイコノスタシスも思った以上に立派なものでした。
島民の心の支えになっているのでしょうね。
中の様子はこんな感じです。
鐘楼は、やはりプレオプラジェンスカヤ教会、ポクロフスカヤ教会と並ぶことによって魅力がでる建築物ですね。
鐘楼だけ見てもパッとしませんが、3つが並ぶと本当にバランスのいいアンサンブルとなるのがすごい。
この「アシェーヴネフの家」で当時の農家の生活を紹介しています。
ディテールがなかなか凝っています
このお姉さんは、当時の衣装、方法で糸を手で紡いでいます。
これは何でしょう。
説明を全く聞いていませんでした。
魔よけなのか豊作祈願なのか・・・
そのほか、こんなものが農家の生活用品として展示していました。
素朴すぎる民芸品・・・
アルハンゲル・ミハイル教会では鐘の演奏がありました。
定期的にやっているようです。
独特な鐘のリズムは、歴史の中へトリップしてしまうような感覚に陥ります。
ガイドさんはここまで。
あとは自由行動です。
ラーザリャ復活教会
おそらく現存するロシア最古の木造建築といわれています。
サウナ
サウナは家の中でなく、屋外に建てられていました。
基本的には現代のロシアサウナ(バーニャ)とあまり変わっていないようです。
身体を叩くための白樺の葉がありました。
風車
回りません。
素朴なブランコ(だと思う)
約3時間の観光時間も終了。
キジー島全部は回りきれませんでしたが、十分楽しめました!
とにかく寒くて参りましたが、あこがれののキジー島を十分に堪能できました!
秋独特の木々のやさしい色と風、香り、そして静かな湖の音。
時間もゆったりと流れていました。
カレリア地方の自然の豊かさを感じるとともに、いつまでもこのまま変わらずにいてほしいなと思いました。
「キジー島観光」という目的を達して、フェリーでペトロザボーツクへ。
ペトロザボーツクに着いたのが17時45分。
シャトルバスに乗り、ホテルカレリアに着いたのが18時00分。
18時15分、ホテルから駅へ出発。
18時25分、駅に到着。
列車の発射時刻は19時00分だから、とても効率のよい移動でしたね。
列車に乗る前に食料の調達。
しかしペトロザボーツクの駅前は、ろくな食べ物が売っていない。
「行き」と同じくまた菓子パン、ミネラルウォーター、ポテトチップ、ビールを購入。
18時45分、無事に列車に乗り込む。
冷え切った身体に車内の暖かさがうれしい。
ゆっくりと列車が動き出しペトロザボーツクを後にする。
また来ることがあるのかな。
なんて思いながら、窓から景色をまぶたに焼き付ける。
列車が動き出し、クペーで同室のおばちゃんに挨拶。
いい人そうでホッとする。
ビュッフェ車両へコーヒーを飲みに行く。
とにかく冷え切った。
思いっきりインスタントコーヒーだが、こういうときはなんでもうまい。
おばちゃんが「ブラック」という私のリクエストを無視して多めに入れた砂糖の甘みが沁みる。
帰りの列車も快適に過ぎ、定刻通りモスクワへ到着。
今回の旅は終了。
天気良く、トラブルなく、順調すぎる旅でした。
モスクワや東京で生活をしていると、知らないうちに人間として大事なことや価値観がわからなくなってきますよね。
そんなとき、キジーのようなゆっくりとした時の空間へ行き、身を任せるとなんだかリセットされるような気になります。
ほっとしますね。
今回の旅で、ロシアの新たな魅力を体験できたと同時に、癒され、何か大事なことを見つけられたような気がします。
約8年近くあこがれていたキジー島へ行けて本当によかった!
そしてこの旅行記が、キジーに行ってみたいをいう人の何かお手伝いになれれば、こんなにうれしいことはありません。